近代プラネタリウムは1923年にドイツで初めて試験公開が行われ、1925年にドイツ博物館のオープンと共に初公開されました。国際プラネタリウム協会ではこの歴史を踏まえて2023年〜2025年を「プラネタリウム100周年」と称しており、それを記念して世界中で多種多様なお祝いイベントが開催されています。
当メディアでも100周年を機に、プラネタリウムにまつわるさまざまな記事を掲載しています。
あなたはプラネタリウムによく行きますか?
どんなことを求めて、プラネタリウムへ足を運びますか?
「休日、せっかくプラネタリウムを観に行ったのに思っていたのと違った」…なんて経験はありませんか?
そんなあなたの「こんなはずじゃなかった〜」を無くすべく、プラネタリウムを年間100投影以上見学する「プラネタリウム・マニア」の松井がプラネタリウムを楽しむためのちょっとした”選び方のコツ”を紹介します。
プラネタリウム、どこにいくべき?
日本には2024年現在、約300箇所にプラネタリウムが設置されています。
みなさんはプラネタリウム施設を訪問する際に、どのように施設を選んでいますか?
近場の施設でしょうか。
それとも、ネット検索で1番上にヒットする施設でしょうか。
日本のプラネタリウムは「運営形態」について考えると、大きく2種類に分けることができます。
”公立”のプラネタリウム
国立、県立、市立など、自治体が運営するプラネタリウムです。
日本のプラネタリウム施設の90%以上が「公立」となっています。
(指定管理者制度といって、自治体が設置した公共の施設を民間企業が代わりに運営するシステムもありますが、大きく分けて本記事ではそれらも「公立」としています。)
公共の施設なので、地域の小中学校から依頼を受けて「学習投影」を行ったり、幼稚園団体向けの「幼児投影」を行うなど、地域の教育と密接に関係しています。
一般向け投影も、教育的な内容を含む館がほとんどです。
すなわち「公立」のプラネタリウムの一般投影は、天文や宇宙を学びたい人におすすめと言えます。
”私立”のプラネタリウム
日本では、「コニカミノルタプラネタリウム株式会社」が運営する、
- 東京都 Sunshine City(池袋)「コニカミノルタプラネタリウム満天」
- 東京都 東京スカイツリータウン「コニカミノルタプラネタリウム天空」
- 東京都 有楽町マリオン「コニカミノルタプラネタリア東京」
- 愛知県 イオンモールNagoya Noritake Garden「コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA」
- 神奈川県 横濱ゲートタワー「コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA」
以上5つの施設(オープン順)や、
などが、自治体ではなく一般企業等が運営する「私営」のプラネタリウムです。
これらの施設では、教育的な内容というよりはエンターテイメント性を重視した内容の番組を多数扱っていることが多いです。
宇宙を学びたいというよりは、どちらかというと宇宙を楽しみたい人におすすめです。
つまり、これら2種類のプラネタリウム施設は根本的に運用形態が異なるものなのです。
いざ、プラネタリウムへ!どの【投影】を観る?
どのプラネタリウムへ行ってみるか決めたら、次はぜひ「どの投影を観るか?」も考えてみてください!
日本ではプラネタリウム施設を訪れるほとんどの人が、
「自分が空いている時間にたまたまやっている投影」や、
「施設に到着して、最初に観られる投影」を観ることが多いと思います。
しかし、当たり前ではありますが「選ぶ投影」によって内容は全く異なります!
「生解説」か?「オート番組」か?
プラネタリウムの投影は大きく2種類に分けることができます。
専門の解説者さんが今日の星空や気になる宇宙の話題についてリアルタイムで話してくれる「生解説」と、
あらかじめプログラムを組まれた内容を映像で流す「オート番組」の2種類です。
どちらかだけを扱う投影もありますし、
前半は「生解説」、後半は「オート番組」とどちらも楽しめる内容にしている施設もあります。
さらに、施設によってはこれらを組み合わせた新感覚の投影を行っているところも。
もちろん明記されていないこともありますが、ほとんどの施設ではその時間に扱う投影が「生解説」なのかどうかウェブサイトに書いています。
ぜひ参考にしてみてください。
その投影の「対象」は?
プラネタリウムの投影内容は本当にさまざまですから、子供向けの内容から大人向けのものまであります。
それぞれの施設のウェブサイトやSNSで、どんな人に観てほしい投影なのかを紹介している施設もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
さて、本記事ではプラネタリウム投影の選び方の一例を紹介しました。
もちろん、「公立」のプラネタリウムでもイベント等で特殊な内容を扱っていることもありますし、
「私立」プラネタリウムの投影でも、星空案内など教育に寄っている内容のものもあります。
多種多様なプラネタリウム。
どんな人をターゲットにした、どんな投影なのか?
事前にリサーチした上で投影を観たらきっとあなたも、プラネタリウムを今まで以上に楽しめるのではないかと思います。
ぜひ、あなたの「お気に入りのプラネタリウム」を見つけてくださいね。
この記事に使用している写真は全て、ライターの松井が撮影しています。
参考文献